ごあいさつ

ご訪問,ありがとうございます。
私は茨城県取手市取手駅東口徒歩0分の場所にある取手総合法律事務所で弁護士をしております。

顧問先:伊藤忠商事・住友化学関連会社,取手市商工会,取手市内マンション管理組合,医療法人,大手損害保険会社

法律相談のお問い合わせは
0297−72−8090
までお願いいたします。

携帯用事務所地図

主な受任事件

  • 民事事件(交通事故,債権回収,離婚,相続,契約トラブル)
  • 刑事事件(交通事故,逮捕後の対応,執行猶予判決の取得,示談の成立)
  • 破産・民事再生・債務整理(借金の整理,過払金の請求)
  • 会社顧問(債権回収,講演,顧客対応,クレーマー対策,下請法)

仕事を行う地域は,下記のようになっております。

  • 茨城県県南(取手・守谷・龍ヶ崎(竜ヶ崎)・土浦・つくば・常総・下妻)
  • 茨城県央(水戸)
  • 千葉北部(我孫子・柏・松戸)
  • 千葉県央(千葉・船橋・市川)
  • 東京都内


事務所概要
〒302-0004 茨城県取手市取手2丁目2番3号 TRDビル2階
取手総合法律事務所
TEL 0297(72)8090 FAX 050(3745)0085

境界標(境界杭)を一方当事者のみで入れることができるか(結論:判決取得で可能)

隣地との間で,土地の境界が問題となることがあります。

この場合,法務局の筆界特定制度を利用して,土地の境界をあきらかにすることが多いと思われます。

なお,いきなり筆界特定訴訟をすることも可能ですが,裁判所としては筆界(境界)特定のための資料が少ないことから,法務局の筆界特定制度を利用するよう促されることが多々あるといわれています。

ですから,まずは筆界特定制度を利用された方がよいでしょう。

ただし,近年筆界特定制度で特定された筆界を否定する判決が3件出ていると聞いてます。そのため,必ず筆界特定制度による筆界(境界)が裁判で認められるわけではありません。とはいえ,そうだとしても特定のための資料収集は法務局のほうがよくわかっていますので,やはり筆界特定制度の利用は事実上必須かと思われます。

さて,筆界特定制度で筆界が特定された後に,境界標(境界杭)を入れることになります。

この境界標(境界杭)は,一方当事者のみで入れることができるのでしょうか。

民法223条は,境界標(境界杭)につき「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。」と定めています。

隣地所有者と共同で入れることが前提となっているため,筆界特定制度で筆界が特定された後に,境界標(境界杭)を一方当事者のみが勝手に入れることはできません(新版注釈民法(7)物権(2)355ページ)。

しかし,境界確定訴訟(形式的形成訴訟)とあわせて,請求の趣旨に「被告は原告に対し右A点に五寸角,長さ五尺の花崗岩作りの境界標石一本を埋設せよ」と記載し,給付の訴えをすることが可能です(東京地裁S39.3.17)。

この給付の訴えが認められれば,被告には境界標(境界杭)埋設義務が具体的に発生します。

そして相手方の同意がなくても前記主文の判決で同意擬制が認められるため,一方当事者のみで境界標(境界杭)を埋設することが可能となります。

現在,法務局では境界について,国土地理院が設置しているGNSS(人工衛生による測位システム)を利用した電子基準点を基点として境界の特定を行っているため(簡略化していうとGPSを利用して境界を定めるということ),現実の境界標(境界杭)がなくても筆界の特定はされたとも言えます。

しかし,現実の境界標(境界杭)があることで,実際の土地利用について事後的紛争の防止の効果があること,所有権界との関係でも境界が問題となり得ることから,やはり現実の境界標(境界杭)を入れておくほうが紛争解決のためにはよいのでしょう。

相続放棄について債権者が取消請求できるか(結論:できない)

相続人が相続放棄(民法938条)をした場合,その相続人の債権者が詐害行為取消権(民法424条)に基づき,相続放棄の取消を求めることはできるでしょうか。

この点,遺留分減殺請求権の放棄については相続人の債権者が詐害行為取消することは可能とされています。

しかし最高裁は,相続放棄に対する詐害行為取消権の行使を否定しています(最判昭和49.9.20,詳解相続法 74ページ,新版注釈民法(10)Ⅱ債権(1)839ページ)。

相続放棄は身分行為であるため,詐害行為取消権の行使対象ではないというのがその理由です。

遺留分減殺請求権との比較で異論も学説にはあるようですが,現在のところ,裁判実務では相続放棄を相続人の債権者が詐害行為取り消しすることはできないとなっています。

もし仮に相続財産の散逸を防止したいのであれば,被相続人が生きている間に債権者がいない推定相続人等に相続させる遺言書を作成した上で,被相続人死亡後に債権者がいる相続人が相続放棄をする方法が検討されることとなります。

今月の購入書籍

f:id:toridelaw:20191001120731j:plain

f:id:toridelaw:20190930114916j:plain

9月は月初に一度買っているので,ちょっと?少なめです。

遺留分の放棄はできるか(結論:相続後は自由に可能,相続前は家裁の許可が必要)

法定相続人には遺留分(法定相続分のさらに半分または3分の1,民法1042条1項各号)という権利があり,被相続人が法定相続人に相続する財産がないような遺言書を作成していても,遺産の一部を受け取る権利が認められています。

では,この遺留分を放棄することはできるのでしょうか。

まず,相続開始後(被相続人死亡後)は,遺留分の放棄は自由にできます。放棄の意思表示は,遺留分減殺請求権を行使する相手方(具体的には,相続財産を相続していて遺留分を侵害している相続人)に対してする必要があります(家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(第三版)501ページ)。

次に,相続開始前(被相続人が存命中)に遺留分の放棄をすることはできるのでしょうか(遺留分の事前放棄)。

これは民法1049条1項で「相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。」(なお家事事件手続法216条1項2号,別表第1の110)と定められていることから,家庭裁判所に申立をして,許可がされれば可能となります(家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(第三版)499ページ)。

ただし,遺留分の放棄は相続放棄などとは異なり,ほとんど無条件で申立が許可されるわけではないようです。

遺留分放棄の申立については,平成27年度の既済件数1162件,うち許可件数1076件で,90%以上が許可されているとはいえ,許可されない申立もあるということです(遺留分の法律と実務(第二次改訂版)50ページ)。

許可されない理由としては,申立人の真意ないし自由意思に基づく申立か疑問がある,申立人が損害を被る恐れがあるなどとなっています。

相続放棄の場合とは異なり,被相続人の生前における遺留分の放棄(遺留分の事前放棄)の場合には,放棄に至る事情の具体的な説明・放棄によって発生する状況を申立人が正確に理解しているか等,申立書にきちんとした記載をして裁判所に理解してもらう必要があると言えそうです。

書籍を買いました


f:id:toridelaw:20190807121200j:image

本を購入しました。

毎月一回、まとめて発注しています。定期的に発行されている書籍もあるので、年間で400冊から500冊ぐらい購入している計算になります。

書籍が多いとスペースの問題と検索性の問題が生じますが、これは書籍の電子化で解決しています。

電子書籍は媒体の取り扱いが不便なので、書籍を買って電子化するのがよいというのが、現段階での結論です。

遺留分減殺請求権を債権者が代位行使できるか(結論:できる)

被相続人が死亡した場合,相続人は法定相続分の3分の1(直系尊属のみが相続人の場合)ないし2分の1(前記以外の場合)の遺留分があります(民法1042条)。

相続人(子供のみと仮定)がABCの三人いて,被相続人の遺言でAのみに全部相続させるとされていた場合を考えます。

BC本人が遺留分減殺請求権を行使する意思がない場合,BCの債権者は遺留分減殺請求権を債権者代位権(民法423条1項)に基づき代位行使できるのでしょうか。

この点,遺留分減殺請求権は,行使上の一身専属権ではないとされています(新版注釈民法(28)476頁)。

そのため,BCの債権者は遺留分減殺請求権を代位行使することが可能です。

相続人であるBCが,被相続人の生前に遺留分の放棄をすることも可能ですが(民法1049条1項),その際にはBCの債権者との間で詐害行為取消権(民法424条1項)の問題が生じるでしょう。

遺留分減殺請求権の行使金額を減少させたいのであれば,養親・養子になる意思を十分に確認して,養子縁組をするなどの方策が必要になるかと思います。