速度と効率の重要性:弁護士業務におけるネットワーク最適化

当事務所では、膨大な裁判資料の電子化や、動画・画像といった証拠データの取り扱いが増加する中、業務効率を最大化するために所内ネットワークの「10GbE(10ギガビットイーサネット)化」が完了しています。

「弁護士業務にそこまでの速度が必要か?」と問われることもありますが、数百ページに及ぶPDFの閲覧や、数ギガバイト単位のバックアップを一瞬で終えることは、思考を中断させないために極めて重要です。

今回は、事務所内の環境で実施した、異なる接続形態およびネットワークチップ(NIC)による転送速度のベンチマーク結果をご紹介します。

測定には定番の「CrystalDiskMark」を使用し、所内の10GbE NASをネットワークドライブとしてマウントした状態で計測しました。

1. USB接続アダプター(Realtek RTL8159チップ採用)

まずは、ノートPCや拡張性のない端末で重宝するUSB接続タイプの10GbEアダプターです。

  • Read: 974.16 MB/s

  • Write: 577.39 MB/s

USB接続でありながら、読み込みで約974MB/s(約7.8Gbps)という素晴らしい数値を叩き出しました。USBのオーバーヘッドがあるためPCIe接続には及びませんが、手軽にここまでの速度が出るのは技術の進歩を感じます。これならノートPCでもデスクトップ並みの快適さで資料検索が可能です。

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2. Intel製NIC(E610-XT2)

続いて、サーバーやワークステーショングレードで信頼性の高いIntel製チップを採用した接続環境です。

  • Read: 1186.09 MB/s

  • Write: 588.77 MB/s

さすがはIntelと言うべきでしょうか。読み込み速度は1186MB/sと、10GbEの理論値(帯域幅)をほぼ使い切るパフォーマンスです。ただ問題は搭載PCが異様に不安定で、ちょっとファームとドライバーがこなれていない感じがします。値段も高いし、あまりおすすめしません。

3. Realtek RTL8127 PCIeカード(10GbE)

最後に、コストパフォーマンスに優れるRealtekチップを搭載したPCIe接続のカードです。

  • Read: 1046.04 MB/s

  • Write: 581.38 MB/s

こちらも読み込みで1000MB/s(1GB/s)の大台を超えてきました。USB接続と比較しても、やはりPCIバスに直結するPCIeカードの方が帯域を安定して確保できている印象です。Random4kQ1T1がもっとも早く、法律事務所のような細かいドキュメントファイルを頻繁に開く状況では、一番レスポンスがいいかもしれません。

総評と「ボトルネック」の発見

3つの結果を並べてみて、あることに気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。

「Write(書き込み)速度が、どれも580MB/s前後で止まっている」

当事務所のNASは Core i7-8700T、メモリ64GB、そして高速なNVMe SSD という構成で、10GbEの帯域を物理的に飽和させるには十分すぎる性能を持っています。CPU使用率も計測中は余裕があります。

つまり、この「580MB/sの壁」の正体は、物理的な限界ではなく、WindowsのSMBプロトコルのオーバーヘッドや、ネットワークアダプターの設定など、「ソフトウェア・設定面」にある可能性が非常に高いと思われます。

読み込み(Read)に関しては1.2GB/sに迫る爆速が出ており、実務での資料閲覧は快適そのものです。しかし、書き込み速度の最適化には、単なるパーツ交換ではない「チューニング」が必要なようです。