離婚届を提出して離婚した場合は届出日が離婚の日となります。
また,家庭裁判所の調停により離婚した場合,調停成立日が離婚の日となります。
では,裁判を経て判決主文に離婚が記載されて離婚する場合は,いつが離婚の日となるのでしょうか。
裁判所の判決は,判決言い渡しの日にその内容が確定するものではありません。控訴・上訴期間(14日間)経過後,判決確定日を迎えて初めて判決の内容が確定となります。
裁判離婚の場合,裁判所の判決(謄本で提出するのが一般的です)と確定証明書を添付して市町村役所に届出をします。
この届出を受けて,市町村では戸籍に「【離婚の裁判確定日】令和○年○月○日」などと判決確定日を離婚の日として記載します。
刑事裁判の場合は,控訴・上訴しなかった場合,控訴・上訴期間徒過後ではなく判決言い渡しの日から懲役刑や執行猶予の期間算定がされますが,民事・家事の場合には異なるということになります。
判決の日ではなく判決確定の日が離婚日になるということは,婚姻費用の支払終期と養育費の支払始期で問題となります。
裁判離婚の場合には通常,婚姻費用について訴訟前に前置された調停で定められていることが多いです。
裁判所で婚姻費用の定めがされる場合,「同居又は離婚する日の属する月までの間」義務者に婚姻費用の支払義務があると調停条項ないし審判で定められると思われます。
裁判離婚ではこの「離婚する日の属する月」がいつかが問題となります。
例えば,令和2年6月22日に判決言い渡しがあった場合,判決確定日は令和2年7月7日以降になります。つまり「離婚する日の属する月」は令和2年6月ではなく令和2年7月になるため,婚姻費用の支払義務は令和2年7月まで発生していることとなります。