被相続人が死亡した場合,相続人は法定相続分の3分の1(直系尊属のみが相続人の場合)ないし2分の1(前記以外の場合)の遺留分があります(民法1042条)。
相続人(子供のみと仮定)がABCの三人いて,被相続人の遺言でAのみに全部相続させるとされていた場合を考えます。
BC本人が遺留分減殺請求権を行使する意思がない場合,BCの債権者は遺留分減殺請求権を債権者代位権(民法423条1項)に基づき代位行使できるのでしょうか。
この点,遺留分減殺請求権は,行使上の一身専属権ではないとされています(新版注釈民法(28)476頁)。
そのため,BCの債権者は遺留分減殺請求権を代位行使することが可能です。
相続人であるBCが,被相続人の生前に遺留分の放棄をすることも可能ですが(民法1049条1項),その際にはBCの債権者との間で詐害行為取消権(民法424条1項)の問題が生じるでしょう。
遺留分減殺請求権の行使金額を減少させたいのであれば,養親・養子になる意思を十分に確認して,養子縁組をするなどの方策が必要になるかと思います。