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共有物について共有者が窃盗に問われるか(結論:問われる)

たとえば,車をAさんBさんの二人で購入し,その車を共有物として使っていたとします。
この車をBさんがCさんに貸している間に,Aさんが車を売却してしまい,AさんがCさんのところから車を無断で持ちだした場合,窃盗罪になるのでしょうか。

戦前,このようなケースで窃盗罪が問われた事案があり(大判大12.6.9,大コンメンタール刑法第12巻260頁。なお当時の対象物は「牛」でした。),そこではAさんに窃盗罪が成立すると判示がされています。

犯人が共有者の一人であったとしても,他の共有者との関係では,共有物は「他人の物」に該当することとなります。

そのため,いくら共有者であったとしても,他の共有者の財産権を侵害しているので,窃盗罪が成立します。

ただ,設例のケースでは窃盗罪が成立しますが,共有物の場合には財産権を侵害した者が占有者である場合が多いと考えられ,その場合は横領罪の成否が問題になるでしょう。