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破産申立のときに債権者一覧表に記載せず裁判所に届出をしなかった債権者(貸金業者)はどのような扱いになるのか(結論:原則として免責されない)

破産申立をするとき,借りている先(銀行,ローン,貸金業者,知人など)からいくら借りているか,債権者の所在はどちらなのか,「債権者一覧表」に記載して裁判所に提出します。

このとき,「債権者一覧表」に載せていなかった相手(債権者)からの借金は免責(免除)されるのでしょうか。

破産法253条本文は,「免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 」と定めています。

そして破産法253条6号は,「破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)」と定めています。

破産申立をした破産者が,借金や返済金があるのを知っていながら相手方を債権者一覧にわざと載せなかった場合,当然免責されません。

では,過失で記載しなかった場合,つまり借金や返済金があるのを忘れていた場合,免責の効果が及び,返済が免除されるのでしょうか。


コンメンタール破産法(青林書院,初版)1087頁には,以下のように記載されています。

「破産者がその存在を知っていたにもかかわらず債権者名簿に記載しなかった請求権である。記載しなかったことが,破産者の過失による場合であっても,これに該当することになる(注解破産法(下)826頁[池田])。」

つまり,忘れてしまっていた債権者でも,わざと書かなかった場合と同じように,免責されないということになります。

ただし,債権者一覧に記載した債権者に免責の効果が生ずるのは,それらの債権者に対して手続保障があったためであり,その趣旨からすると債権者が破産手続開始決定を知っていた場合には,債権者一覧に載っていなかったとしても免責の効果が及ぶことになります。

このように,破産申立時の債権者一覧は,破産をする方にとって重大な意味をもつものですから,申立時には包み隠さず,漏れのないよう借入先を伝えていただくことが大切になります。